第三番 大黒天(喜多院)小江戸七福神巡り・三番目のお寺は「喜多院」。
喜多院は七福神巡りのお寺の中でも特に名の知られた存在で、広くて豪奢が寺院そのままの華やかな歴史を持っています。
幕府を開いた徳川家康ともつながりをもつ「喜多院」の華麗なる歴史を紹介します。
この記事に書いてあるコト
喜多院の概要
徳川家康や春日局と縁があるお寺。
830年、淳和天皇の命により慈覚大師が建立した「星野山無量寿寺」がはじまりで、仏教に属する天台宗の寺院として知られています。
その星野山無量寿寺が二十七世・慈眼大師天海の代を迎えたとき、のちに徳川幕府初代将軍となる徳川家康の信頼を得るようになり、両者の間は非常に近しいものになりました。
天家康が幕府を開いたときも天海は側近として仕え、政治や宗教に強い影響を残しています。
なお、お寺の名前も天海の代になってから「喜多院」と名称が改められました。
地元住民からは「川越大師 喜多院」の名から「川越大師」とも呼ばれています。
1638年に火災で焼失してしまったものの、三代将軍・徳川家光の命により復興され、その際に「徳川家光誕生の間」・大奥を取り仕切り家光の乳母でもあった「春日局化粧の間」が移築されます。
春日局は、当時の江戸城の中で老中よりも力があったと言われる女性。
「春日局」という名前も朝廷から下賜されたものですから、どれだけ権力を持っていた人物なのかが解るでしょう。
その春日局が過ごした間と、将軍・家光の誕生の間がこのお寺にあるということが、喜多院がどのようなお寺なのかを示しています。
七福神巡りとしてだけでなく、歴史的な価値のある史跡としても一見の価値があるお寺です。
大黒天
喜多院で祀っている七福神は「大国天」になります。
頭巾をかぶり、柔和な笑顔で打ち出の小槌を持つ神様で、日本では「財福の神」として有名。
おそらく、七福神と言えばこの大黒天を思い出す人が多いのではないでしょうか?しかし、大黒天には私たちが知らないもうひとつの姿があります。
大黒天はインドのヒンドゥー教に出てくる神様なのですが、ここでの大黒天は「青い体をしている怖い顔の神様」という姿で、私たちが知っている大黒天とはだいぶ違う外見をしています。
破壊の神・戦闘の神であることも、日本で知られる大黒天の姿からはとても想像できません。
では、その大黒天はどうして日本で今のような姿になったのでしょう。
実は、ヒンドゥー教の大黒天は破壊の神であると同時に再生・豊穣の神様でもあったため、日本では「豊穣の神様」という意味だけが定着しました。
日本だけでなく中国でも「食べ物の神様」として大切にされているそうで、大黒天は形を変えて私たちの生活の助けてくれています。
日本での大黒天は、「上を見ることはしない(羨まない)」という意味の頭巾をかぶり、二つ並んだ米俵の上に乗って「二つで満足する」という気持ちを表している謙虚な神様です。
打ち出の小槌は、「槌」が「土」を表し、豊作を示しているそう。
商売繁盛の神様としても活躍するなど、人々の生活をあらゆる面から豊かにしてくれる神様です。
喜多院のご利益
- 五穀豊穣
- 出世開運
- 商売繁盛
- 子孫愛育
喜多院はこんなところに見どころがあります
喜多院には国指定の重要文化財がたくさんあります!歴史が好きな人なら必ず行っておきたいスポットです徳川家と深いつながりがあった喜多院には、たくさんの重要文化財があります。
上記でも紹介した「徳川家光誕生の間」の客殿、「春日局化粧の間」の書院は、歴史が好きな人なら一度は訪れて見ておきたい場所でしょう。
この二つの部屋には隅々まで細かい趣向が凝らされており、部屋を見るだけで徳川幕府の威光が感じられるほど。
また、このお寺の山門にも注目です。
喜多院は一度消失してしまった歴史があるお寺ですが、1632年に天海が建てた山門は火事を免れたため、喜多院の中で一番古い建造物となっています。
その時代の建築技術を良く見られる一角でもありますので、歴史好きな方は忘れずに山門を見てください。
そのほか、天海を祀った慈眼堂など見どころは満載!ぜひ周辺の史跡も一緒に回って、この地の歴史に思いを馳せてみてください。
五百羅漢
川越屈指の観光名所としても知られる「五百羅漢」は、この喜多院にあります。
五百羅漢とは、釈迦が亡くなった後にあらゆるところから集まってきた538名の阿羅漢(聖者)のことです。
喜多院の五百羅漢は、1782年から1825年の50年を費やして造られたもので、釈迦の死の前を聞いていろいろな表情を浮かべる弟子たちの様子が鮮明に表現されています。
それぞれが怒ったり狼狽したり、話し合ったりという表情を見ていくだけでも興味深く、ひとつひとつのお顔を見ているとそれだけで時間が過ぎていきます。
538体もの銅像が、すべて違う表情を浮かべて並んでいる姿はまさに圧巻。
阿羅漢にも伝承があり、夜中に触れると一体だけ温かい像があるそう。
その像の顔を見ると、触れた人の亡くなった両親の面影があると言われています。
喜多院七不思議
1200年もの歴史を持つ喜多院には、長く語り継がれてきた不思議な伝承があります。
七つの伝承は喜多院の近くや境内の中で起きているもので、その場所を巡りながら見てみるとなんとも不思議な気持ちになるはず。
このような伝承が残っているのも、徳川家に大切にされてきた由緒あるお寺だからでしょう。
伝承に目を通し、その不思議なことが起きた場所に足を運んで「どんな奇妙が起きたのか」を確認してくださいね。
美しい桜を見ることができる桜の名所!
「春まつり」は必見です春になるとしだれ桜やソメイヨシノが次々と花を咲かせ、それを見るために多くの人がお花見に訪れます。
境内の中にシートを敷けるスペースが設けられるほか、たくさんの屋台が軒を連ねて人々を出迎え、このシーズンの喜多院は訪れた人の笑顔とたのしい声でいっぱいに。
この時期を選んで訪れる観光客も多く、桜の季節は喜多院がとても賑やかに染まります。
近隣の史跡でもまた違った風情の桜を楽しめますので、春にお出かけしたらカメラを片手に歩いてみては?特に有名なのは、喜多院から歩いて3分の位置にある「中院」のしだれ桜。
枝を大きく広げて豪快に花を咲かせる桜の姿に、かの文豪・島崎藤村も感動したと言います。
喜多院を訪れたら、ぜひ中院に足を延ばしてこの桜を堪能してください。
参詣料を忘れずに!そしてお休みの日のチェックも
喜多院の参詣には、参詣料がかかります。
大人400円・子供は中学生までが200円の料金となっていますので、忘れずに用意をしておきましょう。
また、シーズンや日によって休みになることや、産廃時間が変更になることがあるため、事前の確認をお勧めします。
行事の日に参拝を考えている方も、行事がいつ行われているかのチェックを忘れずに。
喜多院境内売店
大きなお寺だけに、境内には土産ものを販売するお店があり買い物を楽しめます。
販売物は、念珠や開運だるまといった開運アイテムや置物・兜など。
七福神を祀っているだけに七福神関連の取り扱いも見られ、いろいろな商品を幅広く扱っているのを見ることができるでしょう。
軽食も食べられるようになっていますので、お腹がすいたらここで一息をどうぞ。
地酒「春日局」もここで飲めます。
喜多院の御朱印・宝印帳とは
喜多院でいただくご朱印は、「川越大師」と文字が入ったものであることが一般的です。
ただし、毎月1日と元旦~7日の間には大黒天の御朱印をもらうことができるそうなので、七福神巡りの御朱印が欲しい場合はこの期間にどうぞ。
変更される可能性もありますので、事前に問い合わせをしておくことをお勧めします。
喜多院:アクセスと地図
神社名 | 喜多院(きたいん) |
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所在地 | 埼玉県川越市小仙波町1-20-1 |
ご利益 |
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電話番号 | 049-222-7559 |
参拝時間 | 24時間可能 |
URL | 24時間可能 |
アクセス |
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お正月をはじめ、混み合うシーズンにはバスをはじめ公共機関を使われることをお勧めします。時期によっては、駐車場に車を入れられないほど混み合います。
パワースポットとしての喜多院
喜多院がある場所は、風水で言う「江戸の龍穴」に位置すると言われています。
龍穴とは、自然のいい力が湧いているという場所のこと。
ちなみに同じくいい力が湧き出る「陽穴」というものもあるのですが、この陽穴の場所を調べてみると、現在の皇居(かつての江戸城)の位置になることが解っています。
昔の人は、自然のいい気を取り入れるために生活に風水を取り入れ、街づくりにも活かしてきたという説があります。
京都の平安京も風水をもとに造られた可能性があり、それが本当だとすれば私たちの生活と風水は固く繋がっていて、知らず知らずのうちにその影響を受けているということになるかもしれません。
その風水で「江戸の龍穴」にあたる喜多院は、境内を歩いているだけで心にいい気が入っていくような気持ちになれるスポット。
こころに溜まっている悩みがこの寺院を包む不思議なパワーで溶けていき、帰るころには清々しい気持ちが心に戻っていることでしょう。
もし、辛い事や苦しいことに悩まされているという方がいたら、境内の中にある「苦ぬき地蔵」を訪ねてみてください。赤や緑の旗に囲まれているお地蔵さんなので、見ればすぐに解るはずです。
この苦ぬき地蔵は、その人が抱えている苦しみをすべて取り去ってくれると言われていますので、手を合わせることで心が楽になるかもしれません。
まとめ
生きていれば、一人で乗り越えるのが難しいような苦しみ・悲しみにあたる日もあるはず・・・
そんな時は、この苦ぬき地蔵さんの前で手を合わせてみる・・・お地蔵さんの力を借りて乗り越えてみませんか?きっと、お地蔵さんが前に進む力を分けてくれます。
ボクの今日のご飯はいつ出てくるか・・・お地蔵さんに聞いてみようかにゃー
あんたはぜったいにバチが出てくるわよ!