小江戸川越七福神巡りの四番目は、恵比寿天を祀る「成田山」です。
正式には「成田山川越別院」という名称ですが、こちらでは成田山という記述で紹介しますね。
この記事に書いてあるコト
「成田山」の概要
成田山とは、江戸時代末期に「石川照温」上人という人物が廃寺を造りなおして誕生させたお寺です。
石川照温は30歳という若さで両目を失明してしまい、失意の底にいました。
目が見えなくなったことで生きる気力を失った照温は、何度も自ら命を絶とうと試みます。
しかし、何度やっても願いを果たすことができません。
照温は、このことを「これは仏様がまだ自分を見捨てずにいてくださるおかげなのではないだろうか」と考えるようになり、成田山新勝寺(千葉県)にて修行を始めました。
すると不思議なことに、失明したはずの目が再び見えるようになったのです。
照温はこのことを「不動明王の力」と考えて感謝し、自分の生涯を不動明王に捧げることを決意。
まず出家をした照温は、次に諸国を回る巡礼を行い、不動明王の徳を広めることに尽力しました。
そのうちに照温のことを師と仰ぐ者もあらわれはじめ、川越に住んでいた有力者たちが廃寺・本行院を利用して照温のためのお寺を造ろうと考えます。
これが認められ、本行院を再興するという形で照温のための寺が再興され、不動明王の分霊を分霊して祀り、現在の「成田山川越別院」の歴史が始まりました。
成田山の別院はあちこちにありますが、この成田山川越別院が第一号になります。
恵比寿店について
小江戸川越七福神の中で、成田山は「恵比寿天」を祀っています。
この恵比寿天、他の神様とは大きく異なる特徴があることを知っていますか?
なんと!実は、七福神の中でこの恵比寿だけが日本で生まれた神様です。
エッ?マジ?それホントー??
七福神の神様は、インドのヒンドゥー教や中国の道教がルーツとなっていますが、恵比寿天は日本の神話にも登場する日本由来の神様。
恵比寿天は「えべっさん」と呼ばれて古くから親しまれ、商売繁盛の神様として大切にされてきました、左手に鯛をもち、右手に釣竿を持っているというユニークな姿も、日本で深く信仰される理由の一つになっているかもしれません。
恵比寿天のご利益
- 大漁追福
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
「成田山」の見どころ
車を運転する人なら、誰もが願う「交通安全」。自動車祈願はぜひここで!
成田山は交通安全のご利益があると言われ、安全を願うドライバーの多くが祈祷を受けています。
ここで祈祷を受けることで、不動明王が事故からお守りしてくれ、安全運転に力を貸してくれるはずです。
もちろん自分が気を付けて運転をすることがいちばんですが、より安全にと願う方は不動明王にお願いをしてみませんか?
紫橙護摩(火渡り)
屋外に炉を造り、薪を積み上げて芝生で囲み、火をつけて燃やすことを「紫橙護摩」と言います。
この紫橙護摩には「人がもっている迷いを焼いて明るくする」という意味があり、目標に向かって前進する後押しをしてくれるとか。
成田山の紫橙護摩では「無病息災」「学業成就」の二つを祈願してくれるそうなので、受験生の方に特におススメです。
なんと200匹の亀が池に!
成田山に行ったら、ぜひ境内の中にある池を覗いてみてください。
温かい季節だと、そこにたくさんの亀の姿を見ることができるでしょう。
小さな亀から大きな亀まで、たくさんの亀がのんびりと過ごしているところを見ていると、知らず知らずのうちに心が癒されていくような気持ちになれます。
この近くに「七幅弁財天(七福神の弁財天ではありません)」の像があり、縁結びのご利益があるそうなので、両想いになりたい誰かがいる方は手を合わせてお願いをしてみて。
恵比寿天を祀った「福寿殿」
恵比寿天の銅像があるお堂「福寿殿」。
商売繁盛・家内安全をはじめ、成田山ではいろいろな祈祷を受けることができます。
祈祷の際にのぼり幡を奉献すれば、希望した日から半年間の掲揚をしてもらうこともできるとのこと。
掲揚が終わったのぼり幡は、お寺側できちんと炊き上げをしてくれるため自分で何かをする必要もありません。
圧巻!4メートルの高さの不動明王像
成田山の山門右手には、高さが4メートルもある不動明王の像があります。
この不動明王は「見守り不動」とも呼ばれ、この位置から人々の安全や生活を見守っています。
大きな像の上に怖い顔をしているため、その迫力に圧倒されますが、人々に不幸が訪れることがないようにしっかりと見守ってくれている尊像です。
成田山の大師堂
弘法大師・興教大師・理源大師の三大師のご尊像があるお堂です。
このご尊像を奉安するのは成田山の願いだったそうで、その前にお堂を綺麗に改装も行いました。
お堂の中は金色に飾られ、お寺がこのご尊像をとても大切にし、敬っていることが伝わってきます。
「め」の文字が入った絵馬が有名です
この寺院ができるきっかけとなった照温が失明を経験していることから、成田山の開運堂では「め」の文字が入った絵馬を飾っています。
その経緯から「目の病気や視力回復にご利益がある」とされ、あやかりたいと考えた人が多くこの場所をおとずれるようになりました。
成田山のお守り・御守り
たくさんのお守りが販売されています。
ぜひお買い求めを成田山では、お札やお守りをはじめとする開運アイテムが販売されています。
特に、リラックマが描かれた身代わりのお守りがおススメ。
可愛いリラックマのイラストが刺しゅうされたお守りをみると、気持ちがほっこりと温かくなりそう。
人気のキャラクターであることも、お守りをより身近なものにしてくれそうですね。
ひとつ700円とリーズナブルな価格なので、家族へのお土産にいかがでしょうか?
その他、交通安全・安産・勝守など幅広い種類のお守りがあり、訪れる人が目的にあったものを購入することができるようになっています。
成田山の御朱印は?
成田山でもらえる御朱印は「不動明王」の文字に印を入れたもの。
ですが、実際に御朱印をもらった方の中には恵比寿天にちなんだ魚の御朱印をもらった人もいるようです。
七福神巡りをしている人には、もしかしたらこちらをくれるのかもしれません。
また、小江戸川越七福神巡りをしている人は、スタンプラリーのスタンプを押すこともお忘れなく。
こちらも、成田山のものは魚の形をしたとてもユニークなものとなっています。
成田山:アクセスと地図
神社名 | 成田山(なりたさん) |
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所在地 | 埼玉県川越市久保町9-2 |
ご利益 |
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電話番号 | 049-222-0173 |
参拝時間 | 24時間可能 |
URL | http://www.kawagoe-naritasan.net/ |
パワースポットとしての成田山
交通安全・出世祈願・恋愛成就に至るまで、人々の幅広い願いに対してご利益があるお寺。
境内をゆっくりと回って、それらを確認しながら歩いてみてください。
そして、自分の悩みを聞いてほしいと思った時は手を合わせてお願いしましょう。
もしかしたら、現状を打破する勇気やパワーをいただけるかもしれません。
もし、大きな悩みがあるときは護摩祈祷を受けることも考えてみて。
護摩祈祷は弘法大使が行っていた祈祷のことで、成田山で毎日実施されています。
この祈祷には、私たちの心にある煩悩や悪い行いを消し去り、代わりに前向きな心を授けるという意味があります。
何か大きな悩みがあって、明るい心を取り戻したいと考えている人には大きな力になってくれるのではないでしょうか?
まとめ
日本由来の神・恵比寿天を祀っているということで、より存在が身近に感じられるお寺です。
小江戸川越七福神のお寺が設置している水琴窟も見られ、水が落ちるごとに美しい琴のような音色も楽しめます。
他のお寺にある水琴窟の音と聴き比べをしてみるのも一興。
あちこちにお堂や像があるので、ひとつひとつ丁寧に見ていき、お願いをしたいときはしっかり手を合わせましょう。