「備中国総社宮」という岡山にある総社市と市の名前にもなっている神社があります。総社宮には備中国に点在していた324社が合祀されています。
様々な神社には主祭神以外にもいくつか摂社として神様が祀られていることがあります。
そのお社は他に建立されていた神社が合祀されるようになってまとめられて建てられているものが多いです。稲荷神社や天神様をよく見ることがあるのではないでしょうか。
この記事に書いてあるコト
備中国総社宮の概要
ところでかつて、日本各地の国々を治めていた「国司」は、その土地の神社で祭祀を行う仕事がありました。
しかし時代が下るにつれて何百もある神社すべてに行くのは負担が大きくなり、国司は「一か所で祭祀をすれば国中の祭祀が一か所で終わる場所」を作るようになりました。それが全国に点在する「総社」といった神社の始まりです。
岡山県にはその総社が市の名前になっている地があります。あの有名な後楽園もこの神社があってこそのものだったと言われています。
なんと全国の総社の中で最も祀られた神様が多い最大規模の総社だとか。さっそく、どのような神社なのか、見ていくことにしましょう。
備中国総社宮の歴史
備中国総社宮は岡山県総社市総社にある神社で、正式名称は「總社」と書きます。総社市、総社駅など地名はこの神社が由来です。
古代、国司は自分の治める国内のすべての神社を順番に巡拝する役目がありました。「〇〇国一の宮」などといった神社の名称はこの歴史が由来です。
国司はこの仕事を効率化するため、各国の国府から行きやすい場所に国内の神社を一つに合祀した「総社」を設けるようになりました。
備中国総社宮は名前の通り、備中国の総社にあたります。祀られている神様の数や規模では全国の総社で最大と言われています。
沿革や由緒
現在の形の「総社」ができる以前は、野俣神社と呼ばれる神社があり、そこが周辺一帯の総社となったと言われています。
この野俣神社は現在境内に「沼田神社」といして形を残しています。
その後野俣神社は備中国総社となりました。
しかしはっきりとした具体的な創建時期などはわかっておらず、平安時代中期の『延喜式神名帳』において、式内社として「備中国賀夜郡 野俣神社」として記載がありますが、その野俣神社がいつ現在の形の総社宮となったのかは不明です。
室町時代には何度も戦火によって焼かれるも、この神社への信仰は衰えることはありませんでした。
有力大名家である細川家や中国地方で有名な毛利元就に通じる毛利家に信仰され、次第に土地の氏神様としての変容していきました。
今の総社市の町並みはこの信仰があってこその繁栄と言えるでしょう。
その後平成6年には総社(跡)が総社市の重要文化財に指定されました。
ご祭神
- 大名持命(おおなむちのみこと:大国主命の別名)
- 須世理姫命(すせりひめのみこと:大国主の妻)
神祇官斎祠御霊鎮八神
- 高御産霊神(たかみむすびのかみ)
- 神産霊神(かみむすびのかみ)
- 魂留産霊神(たまとめむすびのかみ)
- 生産霊神(いくむすびのかみ)
- 足産霊神(たるむすびのかみ)
- 大宮売神(おおみやのめのかみ)
- 事代主神(ことしろぬしのかみ)
- 御膳神(みけつかみ)
備中国内三百二十四社の神々
ご利益
- 縁結び
- 満願成就
- 幸福、開運
- 安産
- 学業
- 厄除け
- 病気平癒
備中国の全ての神様が集まったスーパーパワースポットなので、どんな願い事も強くサポートしてくれるオールマイティな神社です。
特に備中国の地域に住んでいる方にとっては、この上なく霊験あらたかな場所と言えるでしょう。
また、国津神の代表的な神であり出雲大社の祭神である大名持命(大国主)と彼の最初の妻須世理姫命が祀られていることから、縁結びや夫婦円満のご利益も期待できそうです。
備中国総社宮の見どころ
三島式庭園があります。備中国総社宮境内には古代の庭園の様式が今でも残っています。
岡山の代表的名所である後楽園は、この備中国総社宮の庭園を参考にして作られたと言われています。
総社市指定史跡に指定されている境内はとても静謐で美しく、素朴で穏やかな空気を感じられる素敵な場所です。
備中国総社宮のお守り・ご朱印について
総社の名前にたがわず、様々なご利益のある各種お守りをいただくことができます。
御朱印も受け付けられているようですが、当日無人の可能性も考慮して、事前に社務所まで電話などで連絡を入れておくのが確実です。
(お問合せ先 TEL/FAX 0866-93-4302)
パワースポットとしての備中国総社宮
総社宮境内大きな池があります。そこを巡るように作られた回廊、いくつものお社、荘厳な随神門。
静かに地元の人たちに愛されてきたであろう、堅実で静かで穏やかなパワーがあふれている境内が最高のパワースポットです。
境内全体が世俗から隔離されたような独特の雰囲気をしており、回廊を巡っていると古代にタイムスリップするような印象をおぼえます。
様々な神様にご挨拶をしながら、自分の願い事や悩みを思いめぐらすと、あゆみと共にハッとご神託がいただけることうけあいです。
備中国総社宮アクセス
公共交通機関のみでのご参拝も可能ですので、車のない方にも助かる立地となっています。
JR吉備線東総社駅を出て、国道180号線を東へ約5分ほど歩けば見えてきます。
またはJR伯備線または井原線総社駅からは東へ約20~30分の距離です。
備中国総社宮がまさに、総社市の中心地にある証拠といえるでしょう。
自動車の場合は岡山総社インターチェンジから西へ4km、もしくは倉敷インターチェンジから北へ10kmでたどり着きます。
道に迷わないようにするには、ナビゲーションを利用したほうが確実です。
国道180号線沿いには大きな看板がでています。
まとめ
遠方の大きな神社へのご参拝ももちろんステキなものですが、岡山にお住いの方でご参拝されたことがない方は、ぜひ備中国総社宮を訪れてみてください。
後楽園も、また変わってみえるようになることでしょう。
岡山といえばフルーツ!桃太郎と言えば桃かにゃー。でもやっぱ「さわら」が食べたいにゃー