日本には特定の地方ごとに根付いた信仰があります。
神道や仏教とキリスト教が混ざって生まれたカクレキリシタンの教えや、氷川神社に代表される氷川信仰、西日本に集中して分布している天神様信仰などが挙げられます。
この記事に書いてあるコト
来宮神社の概要
神奈川県から静岡県のある地域に集中して信仰されているキノミヤ信仰というものをご存知でしょうか。
由来が所説あるキノミヤ信仰の総本社と言われる、熱海の来宮神社についてみていくことにしましょう。
歴史や概要
創建時期は不明ですが、キノミヤ信仰の厚い神社として歴史的にもスピリチュアル的にも大変重要な神社です。
社伝によると創建は和銅3年(710年)、熱海湾で漁師の網にかかった神像を松の下に祀って麦こがしを供えたのが始まりと言われています。
その夜、漁師の夢枕に現れた五十猛命が潮騒の音に苦情を言う神託を与えてきたので、海から離れた今の地に遷座したそうです。
神社を見れば一目瞭然の通り、木の根がご神体の神社なので「木の宮」という名前になったと考えられています。
平安初期の征夷大将軍である坂上田村麻呂が戦勝祈願し各地に分霊を祀ったと言われており、現在も全国に44社キノミヤジンジャとして存続しているようです。
この熱海の来宮神社は総本社に当たります。
伊豆は観光地として古来名所として愛される土地ですが、来宮神社の主祭神、五十猛命は地元の人々と旅行者を守る守り神です。
室町時代の神仏習合の時期の影響で、かつては「木宮明神」や「来宮大明神」といった名前で呼ばれていた時期もあります。
沿革や由緒
キノミヤ信仰とは、木の神や漂着神を祀った信仰の事で、主祭神は一定ではないものの、神奈川県西部から静岡県伊豆半島にかけて、キノミヤという名前の神社に受け継がれている信仰の事です。
この信仰の神社は、鹿島踊りが盛んな地域に多く見られます。
海岸にほど近い地域で信仰されていることから、漂着物を神様とする信仰由来の説から、紀伊国の熊野権現に由来する信仰由来の説などありますが、はっきりとした定説はないようです。
ご祭神
- 日本武尊(やまとたけるのみこと) 武勇と決断の神
- 五十猛命(いたけるのみこと) 樹木と自然保護の神
- 大己貴命(おおなもちのみこと) 営業繁盛・身体強健の神
ご利益
- 決断力
- 商売繁盛
- 健康
- 縁結び
- 伊豆の守り神
- 旅人の守り神
- 断ち物祈願の守り神
来宮神社の見どころ
フォトジェニックな「インスタ映え」スポットの自撮りスタンド来宮神社は旅人の守り神ということもあり、観光客を広く受け入れる開かれた神社として有名です。
特に特徴的なのは、木の美しい参道など「インスタ映え」スポットに自撮りスタンドがおかれているところ。
旅の思い出を気軽にSNSに投稿できるのは嬉しいですね。
来宮神社のお守り・ご朱印
御朱印帳はオリジナルのものがあり、黄金色にご神木が描かれたもので大変美しいです。
御朱印は一種類あります。
パワースポットとしての来宮神社
大楠ご神木とされている大楠は一度見たら忘れられない迫力のある木です。
樹齢2000年以上ともいわれている国指定天然記念物です。
一部が枯れていますが高さは約20m、幹回りは約24mもある楠で、周りを一周すると寿命が1年伸びるという話や、願い事が叶うという話が伝えられています。
理屈で説明しなくとも、この木を一度見たら絶対ご利益がある木だと直感的に感じていただけると思います。
あまりに大きく、そして神聖なパワー。
迫力あるご神木でありながら不思議と威圧感はなく、包み込まれるような、両腕を開いて受け入れてくれるような、旅人に親しまれてきた木らしい社交性のあるスピリチュアルパワーを感じさせられます。
かつて伐採されそうになったことがあるのですが、白髪の老人が表れてきこりの持つ鋸を追って去っていったという伝説がある木です。
その時に伐採されずに残ったご神木はもう一本あり、神社入り口にある大楠です。
来宮神社アクセス
JR来宮駅から徒歩5分、JR熱海駅の次の停車駅です。
徒歩ですぐにご参拝できる立地ですのでアクセスも良く、気軽に立ち寄ることができるでしょう。
まとめ
来宮神社はスピリチュアルツリーが好きな方には、多少遠方の方でも是非一度ご参拝して、ご神木の力をみていただきたいお勧めの神社です。
旅が好きな方は特に、温かく応援してもらえるでしょう。