霊場に来たものの、参拝とはどのようにすればいいのか・・と戸惑うことのないよう、一般的な参拝の仕方を抑えておきましょう。
基本的には形式や作法よりもご本尊や霊場に対する敬意を持ち、心を込めてお祈りするという姿勢が最も大切です。
この記事に書いてあるコト
参拝の手順
霊場に辿り着いて、まず門前で合掌し、一礼をしてから境内に入ります。
手水場では柄杓ですくった水を左手、右手の順にかけ、次に手のひらにとった水で口をすすぎ、最後に柄杓の柄を清めます。
鐘楼ではゆっくり静かに一打(ないし二打)突きますが、お寺によっては突けない所もありますので要確認です。
尚、お寺を出る際に突くのは戻り鐘といい縁起が良くないとされています。
ローソクとお線香をあげる
次に本堂で灯明(ローソク1本)とお線香(3本)を灯します。
ローソクは他の火を貰わず、必ず自身のライターなどで灯し、立てる際は手前からではなく上段や奥の方から立てます。
お線香は中央に3本まとめて立てます。
そしてお札を所定の箱に納めます。
お賽銭は遠くから投げるのではなく、静かに添えるように賽銭箱に入れます。
金額に決まりはありませんが、5~25円程でいいでしょう。
読経
次に読経をします。
合掌してから、経本を手にお経を声に出して読みます。
お経を書き写したものを納める写経もありますが、現在は読経が一般的です。
写経したものをお持ちの場合は、本堂前などに設置されている専用の箱に納めます。
納経
最後に、ご本尊にお経を納め、お参りしたという証のご朱印を納経帳に頂きます。
秩父札所では納経受付時間が午前8~12時、午後1~5時となっています。
また冬季(11~3月)は札所によって時間が変わることもありますので確認を。
山門を出る前に合掌と一礼をします。
納経とは
納経とは霊場に経を納め、その証としてご朱印を頂くことをいいます。
経の納め方には写経と読経があります。
自ら心を込めて写経したものは所定の箱に納めます。
また読経の場合は本尊を念じて合掌し、経本を手に声を出して読経します。
その手順は開経偈(かいきょうげ)1返、懺悔文(ざんげもん)1返、三帰(さんき)1返、三竟(さんきょう)1返、十善戒(じゅうぜんかい)、発菩提心真言(ほつぼだいしんしんごん)1返、三摩耶戒真言(さんまやかいしんごん)1返、御本尊真言(ごほんぞんしんごん)3返、十三仏真言(じゅうさんぶつしんごん)3返、光明真言(こうみょうしんごん)、3返、御宝号(ごほうごう)3返、回向(えこう)1返が一般的。
御本尊真言は本尊ごとに違いますので、経本や本堂前に書かれたものを参考にします。
写経あるいは読経にて経を納めた後は、必ず納経帳にご朱印を頂きましょう。
読経とは
読経は経を納める方法の一つ。
自ら心願を込めて写経したものを納めるのが理想ですが、これは時間も掛かることですので、その代わりに本堂の前で合掌とともにお経を読むのです。
読経は経本を手に持って行うのが正式なマナーです。
暗記してしまった人でも、必ず経本を持って読みましょう。
一般的な読経の手順は・・・
- 開経偈(かいきょうげ)1返
- 懺悔文(ざんげもん)1返
- 三帰(さんき)1返
- 三竟(さんきょう)1返
- 十善戒(じゅうぜんかい)
- 発菩提心真言(ほつぼだいしんしんごん)1返
- 三摩耶戒真言(さんまやかいしんごん)1返
- 御本尊真言(ごほんぞんしんごん)3返
- 十三仏真言(じゅうさんぶつしんごん)3返
- 光明真言(こうみょうしんごん)、3返
- 御宝号(ごほうごう)3返
- 回向(えこう)1返
・・・と、なっています。
御本尊真言については本尊によって異なりますので、経本や本堂前に書かれたものを参考にします。
般若心経
般若心経の正式名称は『般若波羅蜜多心経』(はんにゃはらみったしんぎょう)です。
仏教の全経典の中から選りすぐられた経典とされています。
西暦2~3世紀ごろに出来たとも推測されていますが、現存する最古のものは法隆寺所蔵のサンスクリット(梵語)版で7~8世紀の写本です。
般若心経は現在、サンスクリットのものと漢訳されたものの二種類が存在します。
仏教には多くの宗派がありますが、浄土三部経を経典とする浄土真宗と法華経を経典とする日蓮宗、法華宗以外は宗派ごとにそれぞれ独特の解釈をし般若心経を用いています。
古くから般若心経のご利益により病気や災厄から救済されるという信仰があり、経本をお守りとして所持したり、災いがあると写経して祈願した人が多くいました。