第二番 寿老人(天然寺)小江戸川越七福神巡りの二番目は、寿老人という神様がいる天然寺。
小さな境内の中に、深い歴史が詰まっているお寺です。
この記事に書いてあるコト
天然寺の概要
正式には「自然山大日院天然寺」。
1554年に創建された由緒あるお寺で、小江戸川越七福神・二番目のお寺である以外にも、武蔵国十三仏霊場・1番として良く知られています。
武蔵国十三仏霊場としては不動明王を祀っており、お墓に入る前の入り口付近には不動明王の銅像も。
平成3年に本堂などが一新されました。
また、本尊である「木造大日如来坐像」も有名ですね。
大和如来の歴史はインドにはじまります。
言葉では表すことができないとても深い教えを広めたことから、太陽よりも優れた存在として名付けられたのが「大日如来」であり、その存在は宇宙の真理そのものと伝えられています。
この天然寺にある木造大日如来坐像は、川越市にある像のなかで最も古いもの。
安産のご利益があるとされ、今も地域の人々を守り続けています。
寿老人について「じゅろうじん」と読みます
寿老人は「長寿の神」であり、人々に富や財産・子宝・病を癒してくれるとされています。
樹木がもつ生命の力を表すこともあり、その場合は「樹老人」と呼ばれこともあるそう。
その名の通り老人の姿をしていて、巻物がついた杖を片手に、長寿の象徴である桃をもう片手に持ち、お供に鹿を連れています。
実は、七福神の中でも寿老人・福禄寿という神様は少し立場が異なります。
寿老人と福禄寿は同じ神様なのですが、日本に伝わるときに誤って二人に分けて広まってしまったため、さも二人の神様がいるかのような扱いをされてしまいました。
つまり、福禄寿と寿老人は名前が違うだけで同じ神様であるということですね。
その証拠に、両者とも「長寿」のご利益がある神様です。
他の七福神は日本に伝わった際に仏や神と関連付けられて信仰を集めましたが、寿老人と福禄寿の場合は中国の道教で描かれたままの状態で広まったため、七福神として以外の信仰がないことも特徴です。
福禄寿は室町時代に七福神に加えられましたが、寿老人が加えられたのはそのあとの江戸時代に入ってからで、同時に加えられていないところに「同一人物の神をどう扱うか」の迷いも見られます。
しかし、現在は七福神の一人として広く尊敬を集め、人々からとても大切にされています。
寿老人のご利益
- 長寿
- 家庭円満
- 富財
- 子宝
- 病気からの快復
天然寺の見どころ
公式サイトにもある通り小さめのお寺ですが、その空間の中に訪れた人を和ませるポイントがたくさんあります。
寿老人のお堂
境内の奥には、天然寺が祀っている寿老人の小さなお堂が。
中を見ると木造の寿老人を見ることができます。
永代納骨堂「十三仏偕同の塔」
天然寺では、何らかの事情で供養をする人がいない場合に永大供養をしています。
この塔にある十三仏の像が、お墓を静かに守っている様子をご覧ください。
願掛観音
いろいろなお願いを聞いてくれる観音様の銅像です。
生きていれば、「この願いをかなえてほしい」と思うことはいくらでもありますよね。
受験に合格したい、誰かと両想いになりたい、仕事で成功したい…そんな願いがあったときに、その人のお願いを聞いてくれるのが願掛観音です。
ちょうど寿老人がいるお堂の向かい側にありますので、何か叶えたいことがあったら観音様に手を合わせてみては?
小さな池には鯉が泳いでいます
こじんまりとした小さなお寺である天然寺ですが、境内には小さいながらも池があり、鯉が泳いでいます。
駅の近くにはベンチがありますので、ここに座って水の中をゆうゆうと泳ぐ鯉に癒されてみては?
水の中を泳ぐ鯉を見ていると、それだけで心にたまった疲れが解れていくような気持ちになります。
水琴窟(すいきんくつ)
小江戸川越七福神巡りをするなら、ぜひ見てほしいのがこの「水琴窟」です。
水琴窟とは、水が零れ落ちるとまるで琴のような音色を聞かせてくれる音具のこと。
国道沿いなので静かにというわけにはいきませんが、それでもこの水琴窟の美しい音色は訪れる人の心を癒してくれでしょう。
小江戸川越七福神のお寺ではそれぞれのお寺に違った水琴窟が設置され、行く先々で音の違いを楽しむことができるようになっています。
ぜひすべてのお寺を回って、この音色を堪能してください。
七福神スタンプラリー
小江戸川越七福神巡りでは、訪れる人が気軽に楽しめるスタンプラリーを実施しています。
あらかじめ公式サイトから台紙をダウンロードした上で、それぞれのお寺を回ってスタンプをもらいましょう。
天然寺では、青いインクで寿老人のスタンプを押してもらえます。
秋の七草「桔梗」
天然寺では、秋を代表する七草のうち「桔梗」を境内に植えています。
桔梗の花言葉や作用を紹介する看板も設置されていますので、ここで桔梗の花がもつ意味や作用について学びましょう。
桔梗の花のシーズンは6月から9月。
美しい桔梗を堪能したい場合は、この時期に訪れるといいでしょう。
天然寺の御朱印(宝印帳)
天然寺でもご朱印をいただくことができます。
ご朱印は七福神の寿老人のものや大日如来のものがありますので、七福神巡りをしている場合は寿老人の御朱印をもらうといいでしょう。
ただし、ご朱印はスタンプラリーの様にもらうものではなく、そのお寺に敬意を払ったうえでいただくものだということを忘れないこと。
近年、まるでスタンプ集めの様にご朱印集めをする人が増え、お寺や神社の関係者が苦言を呈することも増えてきました。
ただ印だけもらって終わりではなく、きちんとお寺に対して尊敬の気持ちを向けてから印をいただいてください。
天然寺:アクセスと地図
神社名 | 天然寺(てんねんじ) |
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所在地 | 埼玉県川越市仙波町4-10-10 |
ご利益 |
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電話番号 | 049-222-7559 |
参拝時間 | 早朝、夜間は閉門 |
アクセス |
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まとめ
とても小さな境内のお寺ですが、足を踏み入れると隅々まで手入れされた美しい景観が広がり、あちこちにある自然が心を穏やかにしてくれます。
敷地の中にはかわいらしい犬の置物やお地蔵様もあり、それを見るだけでも優しい気持ちになれそう。
特に小さなお地蔵様はとても可愛いので、ぜひ境内を散策して探してみてください。
ベンチに座りながら池の鯉を眺めたり、水琴窟の音に耳を済ませたり…そんな風にのんびりと過ごしているだけで、清らかなパワーがもらえるようなお寺です。
晴れた気持ちのいい日に訪れて、ぜひ明るいエネルギーをいただいてくださいね。
さくらちゃん、それよりも早く、川越名物のうなぎを食べに行こうにゃー
もー、あんたはそればっか!